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ミスをしない人とミスをする人どちらを目指すか

あなたは、ミスをしない人とミスをする人どちらを目指しますか?

 

ミスをした後に、これからはミスが起こらないように対策をする人がいます。

 

これは一見良いことのように見られますが、実は大きな危険をはらんでいると思います。

 

対策することで、確かにミスを減らすことができるでしょう。

しかしながら、ミスが減ったことでミスへの対応力が低下します。

 

ミスが起こると何をどうしてよいのかわからなくなりパニックに陥ったり、ミスを引きずってなかなか立ち直れなかったり、ミスを犯した人を責めるようになったりします。

 

ミスをしないように発想する人は、自ら行動を起こさない・自分で判断しない・決断を他人に委ねる・人に依存する・指示されなければ動けないといった特徴があると思います。行動を起こさない限りミスはしないからです。

 

自分で判断し行動しないため、悪い結果が出ない反面、良い結果・報酬も得られないため、満足感がえられない、自分を認められない・自信がない・仕事が楽しめないといったことにつながるのではないでしょうか。

 

一方、ミスをする人は、ミスへの対応力が高い・心の立ち直りが早い・他人のミスに寛容でいられる。自分の経験値を他人のミスのフォローに使えるといったことがあります。

また、自ら行動を起こし、判断するため、悪い結果はさらっと受け流し、良い結果も得やすくなります。こうした人は何をやっても楽しめる人・ミスを財産に変えられる人だと思います。

 

 

もちろん、ミスにもいろんなミスがあり、正しく判断することが大切です。

命を取られるようなミス・他人の人生を狂わせるような重大ミスは、絶対に起こしてはならないでしょうが、そうでない限りにおいては、少しだけ恥をかく・傷つくだけで済んだり、少しだけ他人に迷惑をかけるだけで済むのがほとんどではないでしょうか。

 

私たちの仕事においては、食中毒は人の生命にかかわる重大ミスですが、それ以外は大抵恥をかく程度で済むものだと思います。

 

ミスを費用対効果で考えたとき、改善で得られる効果が大きければ、対策に労力をかける価値がありますが、得られる効果が小さければ、労力もかける必要はありません。

 

私が高校生の時、テストで一度赤点をとったことがありました。赤点をとった人が教室に集められました。私は赤点をとった自分を恥と思い、ショックに打ちひしがれていましたが、赤点をとりなれている人たちは、皆でキャッキャと談笑していました。その人たちを見て、「強い人たちだ」と思い、自分の心の弱さにさらに落ち込んだことがありました。

今振り返ると、この世の終わりのように感じていた私は、落ち込み具合とミスのレベルが釣り合っていなかったと思います。

 

 人間はミスをするものです。ミスは減らすことはできても、なくすことはできません。

ミスをしない人より、ミスを正しく判断し、正しく受け止め、ミスにたいして強靭な人を目指す。

恥を恐れず、いろいろ自分の判断でやってみる。

 

「仕事を楽しむ」とは、そういうことではないでしょうか。

 

ミスを財産に変えられる人になりましょう。