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クレーム対応は3段階で考える

先日、千寿堂にクレームが入りました。メールで、接客がなっていないとのこと。現場に確認すると、焼きたて煎餅の注文忘れがあり、焼成員が煎餅を焼き終えて休憩に入ってしまった後に気づいたため、提供ができなかったとのこと。現場でも相当興奮気味で怒っていたため、怖かったと報告を受けました。お客様が怒るのも仕方がないことだと思いますし、完全にこちらの不手際です。

 

私たち接客業は、こういうことがあるとつらく悲しい気持ちになります。

 

お客様によっては、「申し訳ありません」と丁重に謝るだけで済む人もいますが、今回のお客様はそれでも心が収まりませんでした。

 

そうした場合、私たちはどのように対応したらよいでしょうか?

あなたが接客にあたった場合、どのように対応しますか?

 

私は、お客様への対応を、大きく3段階で決めておくと良いと思います。

 

現場の確認で分かってきたことは、クレーム対応への引き出しが少ないために、想定を超えるお客様のボルテージの場合、対応しきれなかったということだと思います。

 

私は大きく次の3つにクレーム客を分類します。

 

①「申し訳ありません」で済む客。

  相手も落ち着いており、誠心誠意謝まれば許してもらえる客。

②「申し訳ありません」プラス「サービス付加」で済む客

  少し興奮しているため、「お詫びとしてこちらをサービスさせていただきます」で何とか収まる客。

③「何も通用しない客」

  こちらが誠心誠意謝っても、謝意を形に表そうとしても、興奮して聞き入れられない客。金品など要求してくる。

 

③の場合、手の打ちようがありません。今回の場合がこのケースだったようです。

私はこの場合、相手に納得してもらうことをあきらめます。相手も腹の虫がおさまらないだけで、解決策は見出せません。相手もどうして欲しいは無いため答えは出ないでしょう。

ですから、早く帰ってもらうことと、「自分の接客力の範疇を超えている」と思い、気持ちを必要以上に引きずられないように切り替えることを優先します。

 

③の場合の中には、

  a.上司を呼ぶ

 b.上司がいない場合は「私では対応いたしかねますので、後日上司より連絡させます。連絡先を教えてください」

 c.連絡先を教えてもらえない場合は、「何かありましたらこちらにご連絡ください。」と連絡先を渡す。

 

究極は「この客の対処は自分では無理」と割り切り、後に引きずられないことだと思います。

 

これは、あくまでもこちらが誠心誠意謝罪し、形に表わそうとした後の判断です。

現代は、SNSなどで拡散される恐れもあります。仮にそうなってもこちらとして段階を踏んで対応したが興奮して話にならなかったと反論できる材料を整えたうえでの話だと思います。

 

これは、接客業での危機管理です。消防訓練と同じように、日頃から心がけておかなければならないことだと思います。

火事よりも発生の確率の高いクレームに対し、日頃から準備しておきましょう。

クレーム内容も千差万別ですので簡単なことではありませんが、いくつかのオプションの準備ができているだけで、落ち着いた対応ができるのではないでしょうか。