マイペースで仕事を進めることはとても難しいことです。
マラソンを思い出してください。マラソンレースの中には様々な駆け引きがあります。急にスパートをかけてくる選手もいれば、ペースダウンする選手もいます。そうしたことをチームで駆け引きして来ることもあります。きちんと自分の組み立てたレースプラン通りに進めることができれば、惑わされることもありませんが、プランがないとペースが乱されて思うような成績が出せなくなると思います。
以前松葉において「あの人とはもう仕事ができない。」といって仕事を辞めていった人が何人かいました。よくよく話を聞いてみると仕事のできない人に引きずられて、自分のペースが乱されるというものでした。
私も一緒に仕事をしていて見事にペースを乱されましたし、彼らのいうことも十分理解できます。
しかし、やめていった彼らと決定的に違うことがあります。
ウクライナの戦場では、武器も足りない・兵士も足りない中でそれぞれが頑張っています。
ベトナム戦争においては、圧倒的に戦力の劣るベトナムが、アメリカに勝ちました。
優秀な指揮官は、与えられた武器・兵力を最大限に活用し、戦果を挙げるものです。
極限の戦場においては、不慣れな新兵や動けない老兵などの使えない兵力であっても、調練し、士気を挙げて、何とかやりくりして戦果をあげなければなりません。頼りない戦力を嘆いている暇などありません。猫の手も借りたい戦場においては、誰もが貴重な戦力です。
私は、前述の仕事のできない人に助けられたことがありますし、何とか活かせないかと向き合ってきました。
会社には、いろいろな人がおります。仕事が早い人・遅い人・できる人・できない人・まじめすぎる人・不正を働く人・いい加減な人・・・それらが混在しているのが当たり前です。
組織が大きくなればなるほど、もっと癖の強い人が多く存在します。日本を代表するようなダイハツやトヨタ織機でも不正が起きました。それでも組織を存続させ、業績をあげなければなりません。
私は現在の戦力は、何らかの縁で神様が与えてくれたものだと思って、それを受け入れ、活かすことを考えるのみです。
私にとっての問題は常に、如何にして顧客に喜ばれ、スタッフに喜ばれ、社会に役立つかなので、人の能力を嘆く暇があれば、活かせない自分のやり方をどう改善するかを考えたほうが健全だと思っています。
そうした意味で、やめていった彼らには、戦力を活かす度量が足りなかったのだと思っています。
彼らに共通することは、プレーヤー目線であること。マネージャー目線になると、戦力のえり好みよりなどしていられません。誰もが貴重な戦力に見えてくるはずです。
プレーヤー目線から抜けきれない人は、転職先でも同じ壁にぶち当たることになると思います。
彼らは、マラソンでペースを乱しリタイアしやすい性質を持っています。
大谷翔平のようなタイプの人は、きっと周りのペースに乱されることなく自分のやるべきことを淡々とやるのでしょう。
私もさんざん乱されてきましたが、そのように考えられるようになったのも、この職場から様々なことを経験させていただいたものと感謝しております。
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